現在、大手キャリアでスマホを契約している人は、格安SIMに乗り換えることで通信費を節約できる可能性が高いです。
月々のスマホ代が安くなるなら、格安SIMに乗り換えたいと思っている人も多いことでしょう。
しかし、格安SIMに乗り換えるとなるといろいろな手続きが必要になるため「面倒」「やり方が分からない」と思って踏みとどまってしまいがちです。
そこで、格安SIMに乗り換えるときの注意点と手続き方法についてまとめました。
目次
注意点①:格安SIMに乗り換えると変わること
格安SIMへの乗り換えを検討している人は、格安SIMに変えると何がどう変わるのか不安に感じているはずです。
乗り換えてしまってからトラブルに気づいても、もう元の契約に戻すことはできないかもしれないからです。
そこで、まずは格安SIMに変えることで何が変わるのか整理しておきましょう。
電話番号は同じものを引き継いで利用できる
「SIMカードが変わると、今まで使っていた電話番号は使えなくなってしまうの?」
こんな疑問を持っている人がいるかもしれません。
結論から言うと、格安SIMに乗り換えても今までの電話番号を引き継ぐことはできます。
今の電話番号を異なる通信事業者へ引き継ぐ方法に「MNP(マイナンバーポータビリティ)」があります。
のちほど詳述しますが、MNPを利用するには手続きが必要になります。
MNPはそれほど複雑な手続きではないので、手順通りに行えば電話番号を引き継ぐのは簡単です。
キャリアメールのアドレスは使えなくなる
いわゆるキャリアメール(@docomo.ne.jp、@i.softbank.jp、@ezweb.ne.jp)は、通信キャリア独自のサービスになりますので、格安SIMに乗り換えると使えなくなります。
最近はキャリアメールを利用する人は減っていますが、もし特定の相手とキャリアメールでやりとりしているようなら、今のうちにLINEのIDを交換するなど対策を講じておきましょう。
GmailやiCloud.comのメールアドレスは格安SIMでもそのまま使い続けることができます。
つまり、メールアドレスについてはキャリアメールを除いて問題になることはありません。
そもそもキャリアメールを使っていない人であれば、格安SIMに乗り換えても問題は生じません。
インストールしたアプリも引き続き利用することができる
格安SIMに乗り換えると、これまで使っていたアプリが消えてしまったり、使えなくなったりするのでは?と思っていませんか?
SIMカードは電波通信を行うためのものですので、格安SIMに変えたからといってスマホ本体には影響はありません。
インストールしたアプリはそのまま使えますし、勝手に初期化されてしまうようなこともありません。
スマホ本体を買い換えなくてはいけない?
格安SIMを利用できるスマホ端末には次の2種類があります。
- SIMフリー端末
- SIMロック解除端末
SIMフリー端末とは、たとえばアップルストアから直接購入したiPhoneなどのことです。
docomoやau、SoftBankといったキャリアと紐付いていないため、どの通信事業者のSIMカードでも使えます。
SIMロック解除とは、docomoやau、SoftBankが自社のSIMしか使えない制限をかけていた端末を、制限を解除して他社のSIMが使える状態にしたものを指します。
逆の言い方をすれば、SIMロックがかかったままのスマホでは格安SIMを使うことができません。
SIMロック解除はオンラインでも受け付けていますので、後述するリンク先で解除の手続きを行いましょう。
LINEの年齢認証ができなくなることがある
意外と忘れがちな点ですが、LINEの年齢認証はキャリア事業者の登録情報を利用しています。
そのため、格安SIMに変えるとLINEの年齢認証が使えなくなってしまいます。
年齢認証ができないと、たとえばLINEのID検索が使えなくなります。
QRコードや「ふるふる」を利用してLINEのIDを交換することは引き続きできます。
どうしてもID検索ができなくなるのは困る場合は、格安SIMをLINEモバイルで契約するという方法があります。
LINEモバイルは格安SIMですが、LINEが提供していますのでLINEのID検索はできるようになっているのです。
ID検索を使い続けたい場合は、LINEモバイル一択になるでしょう。
キャリア決済や留守番電話サービスが使えなくなる
d払いやauウォレットのようなキャリア独自の決済方法は、格安SIMに変えると利用できなくなります。
また、各キャリアが独自のプラン内で提供している留守番電話サービスや国際ローミングといったサービスも、格安SIMでは利用できないことがあります。
決済については、ApplePayやGoogle PayはSIMカードに関係なく利用し続けることができます。
PayPayやLINE PayといったQRコード決済も、SIMカードに関わらず使い続けることができます。
もしキャリア決済を利用している支払いがあれば、あらかじめ別の決済方法に変更しておくようにしましょう。
昼時や夜間など混み合う時間帯は速度が遅くなることがある
格安SIMはなぜキャリアよりも通信費を安くできるのでしょう?
それは、格安SIM各社が大手キャリアの回線を借りているからです。
格安SIMを提供している事業者は、自ら通信インフラを持つことなく、既存の回線を利用することでコストを浮かせているのです。
借りている回線のため、通信速度の面ではキャリアに劣ることがほとんどです。
ただし、明らかに体感として遅くなるのは、多くの人がスマホを使う昼時や夜間が中心です。
それ以外の時間帯であれば、よほど大きなデータのやり取りをしない限り回線スピードの遅さが問題になることは少なくなっています。
注意点②:手続きの時期と手順をまちがえないこと
格安SIMに乗り換えた人の中には、「手続きの手順をまちがえてスマホが使えない期間ができてしまった」といった失敗を経験した人もいます。
このような不便な思いをしないためにも、手続きの時期や手順を前もって確認しておきましょう。
SIMロック解除の申請をしておく
最初にやることは、「今使っているスマホで格安SIMを使えるようにすること」です。
そのためにはSIMロック解除を申請する必要があります。
SIMロック解除は、現在契約している通信キャリアへ申請します。
各キャリアの申請先は次の通りです。
・My docomo→docomoオンライン手続き
・インフォメーションセンター(docomoスマホから151、または0120-800-000)
・ドコモショップ
・My au
・電話窓口(0077-75470)
・auショップ
・My SoftBank
・SoftBankショップ
なお、オンラインでSIMロック解除をする際には「IMEI番号」という番号が必要になります。
スマホの発信画面で「*#06#」を入力して発信すればIMEI番号が表示されます。
この番号をメモしておくか、スマホ画面上でコピーしておくようにしましょう。
MNP予約番号を取得しておく
格安SIMに切り替えた後も、今と同じ電話番号を使うために必要な手続きです。
「電話番号が変わっても構わない」という人は、この手続きは必要ありません。
各キャリアの申請先は次の通りです。
・My docomo→各種お申し込み・お手続き→携帯電話番号ポータビリティ
・インフォメーションセンター(docomoスマホから151、または0120-800-000)
・ドコモショップ
・電話窓口(0077-75470)
・auショップ
・電話窓口(*5533、または0800-100-5533)
・SoftBankショップ
格安SIMに申し込んで契約する
SIMロック解除とMNPの手続きが終わったら、あとは新しいSIMを手に入れるだけです。
格安SIMに申し込んで契約しましょう。
手元に格安SIMが届いたら、あとはSIMを入れ替えて格安SIMの設定手順に従いましょう。
コツは「格安SIMが届いてから今のSIMを取り出す」こと
格安SIMに乗り換えるとき、スマホが使えなくなる期間ができてしまう原因は「新しいSIMが届く前に今のSIM契約を切ってしまう」ことにあります。
つまり、格安SIMが届いてから今のSIMを取り出して解約すれば不通期間は発生しません。
この記事で紹介した手順であれば、基本的に不通期間が発生することはありませんので、もしよろしければ格安SIM乗り換えの参考にしてください。
注意点③:iPhoneのAppleCare+は自動解約となる
iPhoneを使っている人限定の注意点ですが、キャリア経由で加入したAppleCare+はキャリア契約解約とともに自動解除となります。
iPhoneの保証とサポートがこの時点で終了してしまいますので、iPhoneを新しく買ってから日が浅い人は要注意です。
ただし、AppleCare+は購入から2年間に保証・サポートを延長するためのオプションです。
もしiPhoneを使い始めてから2年以上経過している場合は、そもそもAppleCare+の効力がなくなっていますので、自動解除となることについても気にする必要はありません。
まとめ:きちんと手順を踏めば格安SIMへの乗り換えは難しくない
格安SIMの契約や設定は、基本的に自分で行うことになります。
キャリア契約であれば、ショップスタッフにすべてお任せで設定してもらえますが、格安SIMではそうはいかないのです。
しかし、ここで紹介した手順をきちんと踏めば、格安SIMへの乗り換えは決して難しいものではありません。
ぜひ格安SIMを上手に活用して、快適でリーズナブルなスマホライフを楽しんでください。