- 退職代行サービスを利用したいが、デメリットはないのか気になる
- 退職代行を通じて会社を辞めてトラブルにならないの?
- どんな場合に退職代行サービスを利用するべき?
退職代行サービスについて、上記のような疑問や不安を抱えていませんか?
今回は、退職代行サービスを利用するデメリットや違法性がないかどうかについて解説します。
実際にトラブルになりかねないケースも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
退職代行サービスとは?違法な事業ではない?
はじめに、退職代行サービスの概要や違法性の有無について押さえておきましょう。
結論から言うと、退職代行サービスそのものは違法な事業ではありません。
ただし、退職代行サービスが対応可能な業務範囲を把握しておかないと、トラブルに発展する可能性があります。
退職代行とはどんなサービスなのか、具体的に何を代行してもらえるのかを理解しておきましょう。
社会人の約半数が「退職代行サービスの利用を検討」
一方で、退職代行サービスの認知度は近年になって急速に高まっています。
日本労働調査組合が実施したアンケート結果によれば、退職代行サービスを知っている人は57.4%に達していました。
若年層ほど認知度が高く、20代の63.7%が退職代行サービスについて知っているのです。
さらに、もし今後退職することがあれば、退職代行サービスの利用を検討すると答えた人の割合は47.4%にのぼります。
約半数の社会人が、退職代行サービスを利用する可能性があると答えているのです。
このように、退職代行サービスは世の中で広く知られるサービスとなっており、活用を検討する人も増えています。
退職代行サービスの利用は、すでに「めずらしいこと」「めったにないこと」ではないと捉えてよいでしょう。
退職代行サービスができること
退職代行サービスとは、その名の通り退職手続きの一部を代行してもらえるサービスです。
具体的には、次の手続きを代行してもらえます。
- 退職の申し出
- 退職時に必要な書類のやり取り
- 有給休暇の取得依頼
簡単に言うと、代行してもらえるのは上記のような単純な「手続き」だけです。
「代行」という名称のため、退職にまつわることは全て代行してもらえるイメージがありますが、実際はそうではありません。
単純な「手続き」以外の行為が見られた場合、違法になる恐れがあるため注意が必要です。
退職代行サービスが違法になるケース
反対に、次に挙げるような「交渉」「協議」に全ての事業者が対応できるとは限りません。
- 退職日の調整や退職金の支給額に関する話し合い
- 退職に伴う条件交渉
- 勤務先とトラブルになった場合の和解交渉
- 勤務先から損害賠償を請求された場合の対応
上記はいずれも弁護士が対応すべき業務であり、弁護士資格を持たない事業者が代行すれば非弁行為となります。
つまり、退職代行サービスは勤務先との話し合いや交渉、調整、和解などにはタッチできないのです。
弁護士資格を持たない担当者がこれらの行為をした場合、弁護士法に抵触する恐れがあります。
後述する通り、勤務先との交渉・協議を実施できるのは弁護士または労働組合のみです。
退職代行サービスを利用してトラブルになる例
退職代行サービスを利用してトラブルに発展するとしたら、どのようなケースが考えられるのでしょうか。
よくある事例を3つ紹介しますので、退職代行サービスを利用する際には十分注意してください。
勤務先が退職を拒否する
退職代行サービスを通じて退職の意思を伝えたところ、勤務先が拒否したらどうなるのでしょうか。
この場合、そもそも退職が可能かどうかの交渉をしなければなりません。
本来、勤務先が退職を拒否することはできないため、勤務先の主張が法的に認められないことを伝える必要があります。
しかし、弁護士資格を持たない事業者がこうした交渉や説得をすることは認められていないのが実情です。
勤務先がやり取りを拒否したことを理由にサービス続行が困難になったり、反対に勤務先から訴えられることにもなりかねません。
トラブルになったとしても退職代行事業者は返金対応するのみで、根本的な解決には関与できない可能性があります。
結果的に退職できない
何らかの理由で退職手続きが進まず、結果的に退職できない恐れがあります。
この場合、退職代行サービスを使って辞めようとしたことが勤務先に知られた状態で勤務を続けなくてはなりません。
当然、肩身の狭い思いをするでしょうし、同僚や上司からも白い目で見られる可能性が高いでしょう。
気まずい雰囲気の中、自力で退職手続きを進めなくてはならず、つらい思いをすることになりがちです。
退職代行サービスは「100%退職できる」と保証しているとは限らない点に注意してください。
過去に退職できなかった事例があるのかどうか、口コミや評判を参考に判断することをおすすめします。
事前に聞いていた以上の金額を請求される
勤務先の顧問弁護士と協議することになった場合、退職代行サービス事業者としても弁護士を立てる必要に迫られることがあります。
この場合、弁護士費用や各種手数料などをサービス利用者に請求される可能性もゼロではありません。
申し込んだ時点で聞いていた料金以上の金額を請求され、結果的に高額な利用料を支払うことにもなりかねないのです。
そもそも弁護士法人が運営しているサービスであれば、こうしたトラブルは避けられます。
退職代行サービスを選ぶ際には、追加料金が発生しないことを事前によく確認しておく必要があるでしょう。
退職代行サービスを選ぶ3つのポイント
ここまでの解説をまとめると「退職代行サービスは違法ではない」「ただし利用するサービス選びが非常に重要」といえます。
退職代行サービスを選ぶ際のポイントを見ていきましょう。
ポイント1:弁護士法人が運営しているサービスを選ぶ
退職代行サービスを利用してトラブルに発展した場合、勤務先との交渉や協議が必要になります。
しかし、法律に則って交渉や協議を行うのは弁護士の仕事です。
弁護士資格を持たない人が交渉・協議に応じた場合、非弁行為となる可能性があります。
そこで、最初のポイントとして「弁護士法人が運営しているサービスかどうか」を重視するようにしましょう。
運営元が弁護士法人であれば、そもそも弁護士が提供するサービスですので交渉や協議にも問題なく応じられます。
ただし、退職代行サービスの中には弁護士「監修」といった表示をしている事業者もあるので注意してください。
監修は「関わりがある」という程度の意味ですので、いざという時に弁護士が出てきてくれるとは限りません。
万が一のリスクに備えて、弁護士法人運営の退職代行サービスを選ぶことをおすすめします。
弁護士法人運営の退職代行サービスは「退職110番」がおすすめ
退職110番は、弁護士法人が運営する退職代行サービスです。
弁護士が運営しているので、職場との交渉・協議をはじめ社宅退去の仲介や退職金の請求などにも応じてもらえます。
万が一、勤務先が損害賠償を請求すると言い出した場合も弁護士が訴訟対応してくれるので安心です。
弁護士と直接面談する必要はなく、基本はメールでのやり取りのみで退職手続きが完了します。
全国対応型のサービスなので、勤務先がどの都道府県でも退職手続きが可能。
リスク回避と確実性を重視したい人は、退職110番の活用をおすすめします。
ポイント2:労働組合法人が運営しているサービスを選ぶ
弁護士法人が運営する退職代行サービス以外にも、職場との交渉・協議が可能なサービスはあります。
それは「労働組合法人が運営する退職代行サービス」です。
そもそも労働組合は、労働者が雇用者と交渉するために設置される組織。
よって、職場と協議・交渉が必要になった際にも問題なく代行することができます。
ただし、労働組合がついていると謳っているサービスであっても、組織としての活動実態がない場合があるため注意してください。
労働組合として実際に活動しているか、法適合組織であるか、十分に確認しておく必要があります。
労働組合法人運営の退職代行サービスは「退職ガーディアン」がおすすめ
退職代行ガーディアンは、労働組合法人が運営する退職代行サービスです。
東京都労働委員会に認証されている法適合の合同労働組合のため、労働者のための代理・交渉に対応できます。
雇用形態に関わらず一律29,800円で利用でき、追加料金は発生しません。
退職代行ガーディアンのおすすめポイントは、過去に退職できなかった事例が1件もないことです。
追加料金が発生する心配がなく、確実に退職できる方法を探している人は退職代行ガーディアンに相談してみましょう。
ポイント3:費用が不自然に安すぎるサービスは避ける
費用が極端に安すぎる退職代行サービスを利用するのはリスクが高いため、十分に注意しましょう。
一般的に、2万円以上の料金設定としているサービスがほとんどです。
1万円台や数千円といった安すぎる料金の事業者を利用すると、サービスが劣悪だったり詐欺被害に遭ったりする恐れがあります。
悪質なケースでは、退職代行業者にお金を振り込んだ途端、音信不通になるといった事例もあるほどです。
前述の通り、退職代行事業者は勤務先との交渉・協議や訴訟といったリスクと常に隣り合わせと言えます。
万が一のリスクに備えるためにも、サービス品質の維持や事業運営にコストがかかるのは避けられません。
トラブルを避けるためにも、価格の安さだけで退職代行サービスを選ばないようにしてください。
退職代行サービスの利用がおすすめのケース
退職代行サービスを利用しなくても、自分で退職の申し出をして円満に辞められるのであればそのほうが望ましいでしょう。
では、反対に退職代行サービスを利用したほうが良いのはどのようなケースでしょうか。
もし次に挙げる状況に当てはまるようなら、退職代行サービスの利用をおすすめします。
退職の申し出を拒否された場合
退職を申し出たにも関わらず「辞めてもらっては困る」「認められない」などと拒否されたケースが該当します。
後任の担当者が見つかるまで、といった口実で退職日を引き延ばされているようなケースも同様です。
本来、従業員から退職の申し出があれば、その2週間後には退職することが認められています。
退職の申し出を勤務先が拒否すること自体が違法行為です。
こうした脱法行為を行う企業であれば、そもそも法律を遵守する意識が低い可能性があります。
退職代行サービスを利用して、一方的に退職を通告するのもやむを得ないでしょう。
無理な引き止めに遭遇した場合
人手が足りないなどの理由で、退職を強引に引き止められた場合も退職代行サービスの利用をおすすめします。
勤務先の状況によらず、従業員が退職の意思を表明したのであれば雇用者側は受け入れなくてはなりません。
無理に引き止めたり、退職の申し出そのものを有耶無耶にしてしまうようなことは許されない行為です。
よくあるケースとして、直属の上長から「飲みに行こう」などと誘われ、退職の申し出をもみ消されてしまうことがあります。
退職するかどうかは従業員自身が決めることですので、強引に引き止めるようなら退職代行サービスを利用しましょう。
パワハラが原因で退職する場合
パワハラやセクハラなど、勤務先で精神的なダメージを受けた場合は退職代行サービスを迷わず利用しましょう。
とくにハラスメントの当事者が直属の上司の場合、退職の意思を上司本人に伝えるだけでも多大な精神的負担を伴います。
第三者があなたの代わりに退職の意思を伝えてくれる、退職代行サービスを利用するのがおすすめです。
ハラスメントが起きていながら、放置していた勤務先にも責任の一端はあります。
勤務先に責任を感じてもらうためにも、退職代行サービスを通じて退職の意思をきっぱりと伝えてください。
まとめ
退職代行サービス自体は違法ではありませんが、対応可能な範囲を超えて交渉や協議に応じると非弁行為となります。
勤務先との交渉・協議が必要になった場合や勤務先が訴訟を起こした場合、対応しきれない可能性が高いでしょう。
退職代行サービスを利用するなら、弁護士法人または労働組合法人が運営するサービスを選ぶことが大切です。
今回解説してきたポイント参考に、適切な事業者を選んでトラブルのない退職を実現してください。