モデルケース
- すでに転職先が決まっている
- 就業規定では退職申し入れは1ヶ月前まで
- 管理職ではない一般社員
- 転職先の入社日は2ヶ月後で相談中
目次
ステップ①:直属の上司への申し出
時間を取って欲しいと口頭で伝える
転職先への内定が決まったら、職場の上司に時間を作ってもらうよう申し出ます。
このとき申し出る一言は「お話ししたいことがあります」で十分です。
察しのいい管理職なら、退職についての話だとすぐに気づくはずです。
同僚が聞いているところで言い出しにくいようなら、社内メールで申し出てもいいでしょう。
落ち着いて話せる場所で退職したい旨を伝える
会議室や応接スペースなど、落ち着いて話せる場所で退職の意思を伝えます。
具体的には「勝手ながら退職させていただきたいというお願いです」といった伝え方がいいでしょう。
退職したい理由を聞かれるはずですので、シンプルに「転職先が決まりましたので」と伝えればOKです。
結論はその場で出なくてOK
もしその場で「もう一晩考えてみてほしい」などと言われたとしても問題ありません。
申し出た当日中に結論が出なくてもいいので、まずは「退職の意思を伝えた」という第一段階を踏んでおきます。
引き留めようとする上司の中には「飲みに行こう」などと持ちかけてくる人がいますが、こうした誘いは丁重にお断りしましょう。
ステップ②:退職の事実と退職日の決定
上司からの説得された場合
次のステップは「退職する事実を承諾してもらうこと」「退職日を決定すること」です。
申し出た当日に結論が保留になっていた場合、後日改めて話す場を設けてもらいます。
このとき、退職の意思は変わっていないことを伝え、具体的な退職日の交渉に入ります。
退職日の相談と引き継ぎスケジュールの決定
退職日を相談する上で重要になるのが引き継ぎのスケジュールです。
できれば前もって引き継ぎのための資料を用意しておくなど、準備を進めておきましょう。
あらかじめ準備していたことが分かれば、退職の意思が固いことを伝える効果もあります。
引き継ぎにかかる期間と、具体的な退職日をここで決めます。
転職先へ退職日決定の連絡をする
退職日が決定したら、すみやかに転職先へ退職日を伝えましょう。
これによって、次の職場への入社日を決めてもらいます。
入社希望日がある場合は、必ずその通りになるとは限りませんが、希望として伝えておいてもいいでしょう。
ステップ③:引き継ぎの準備を進める
引き継ぎに必要な項目をリストアップする
いよいよ退職に向けての処理を進めていきます。
まずは引き継ぎが必要な仕事の種類と引き継ぐ相手をリストアップしていきます。
新たな担当が決まっていない場合、ひとまず直属の上司に引き継ぐケースもあるはずです。
できれば、いつまでに何を引き継ぐのか、おおよその予定を組んでおくとスムーズです。
後任者など一部の社員へ退職の事実が伝わる
引き継ぎを行う関係上、後任者など一部の社員へ退職の事実が内々に伝えられます。
まだ他の社員には口外しないよう釘を刺される場合もあるはずですが、この時点であなたが退職するという噂が社内に広まっていくことも想定されます。
もし周囲の社員の反応に変化が見られた場合も、毅然とした態度を崩さず淡々と引き継ぎを進めましょう。
引き継ぎを始める
引き継ぎはビジネスライクに徹するのが基本です。
「後任者に負担をかけて申し訳ない」という気持ちを持つことは大切ですが、必要以上に卑屈になることはありません。
退職以外にも、人事異動などやむを得ない事情で仕事を引き継ぐことはいくらでもあります。
あくまで仕事の一環として、責任を持って引き継ぎを行うという誠実な態度でのぞみましょう。
ステップ④:退職に関する事務手続きの開始
退職願の提出・受理
テレビドラマなどで「辞めさせてもらいます」と辞表を叩きつけるシーンを目にすることがありますが、現実にはこのようなことはまずありません。
上長と相談のうえ退職日を決め、退職することも承諾されている状態で退職願を提出するのが一般的です。
会社によっては別途「退職届」の書式が用意されていることもありますが、ないようであれば「退職願」として自筆のものを用意しましょう。
「〇月〇日をもって退職したく・・・」という部分には、あらかじめ相談して決めた退職日を記入します。
総務・人事担当者との打ち合わせ
所属部署での引き継ぎと並行して、総務や人事の担当者と退職までの手続きについて打ち合わせます。
ここでは主に必要な書類の提出と会社への返却物の確認が行われます。
滞りなく退職するためにも、必要な書類を整えておくことが重要です。
提出・返却が必要な書類のリストアップ
会社や人事担当者によっては、提出書類や返却物を一覧にして渡してくれます。
もしそのようなリストがなければ、自分で必要なものをリストアップしておき、人事担当者と打ち合わせておくと確実です。
後になって不足物があると、退職日以降に会社へ連絡しなくてはならない場合があります。
煩わしい思いをしないためにも、提出・返却が必要なものについては共通認識を持っておくことが大切です。
ステップ⑤:退職の事実が社内に周知される
部署内での周知・社内への周知
一般的には、まず所属部署内の会議の場などで退職の事実が伝えられ、次いで社内へ通知されることが多いです。
部署内での周知は、退職者本人がいないところで行われることもありますが、どのタイミングで皆が知ったかはあまり重要ではありません。
「いずれ皆が知ることになる」と考え、誰がどこまで知っているのか詮索しないようにしましょう。
送別会が開催される場合の対応
部署内、会社全体、あるいは親しい社員同士で送別会が開かれることもあるでしょう。
もし職場に不満があって辞める場合でも、送別会の場で酔っ払って会社の愚痴を言うのはNGです。
あと少しで無関係になる職場なのですから、無難な対応に徹するほうが賢明です。
送別会の場で退職理由を聞かれた場合にも、前向きな退職理由を答えるなど角が立たないようにしたほうが面倒を避けられます。
ステップ⑥:退職日までの過ごし方
有給休暇の消化について
引き継ぎの目処が立ち、退職日が近づいてきたら、有給休暇の消化について上長に相談しましょう。
有給休暇は絶対に消化しなくてはならないものではないので、職場や上長の方針・心証によってどの程度消化できるかは変わってきます。
もし消化できればラッキーだと思って申し出るといいでしょう。
デスク回りの片付け・整理
自分が使ってきたデスクは会社から貸与されていた備品ですので、退職日までにきれいに片付けておく必要があります。
私物を撤去するのはもちろんのこと、書類などが溜まっていれば少しずつ処分していきましょう。
機密保持に関わる書類や個人情報に関する書類はシュレッダーにかけるなど、しっかりと対応する必要があります。
会社への返却物の処理
会社へ返却する備品は、退職日までに総務部などへ直接持って行ったほうが好印象です。
直属の上司を通じて返却する場合もあるかもしれませんが、退職する社員の返却物の処理は担当者にとって何も価値を生まない仕事ですので、手間をかけさせてしまうことのお詫びの一言を添えるようにしましょう。
ステップ⑦:退職当日とそれ以降
全体への挨拶と個別の挨拶回り
最終出社日には、朝礼やミーティングなどの場で一言挨拶をする場合もあります。
これまでお世話になったことへのお礼の気持ちを伝えましょう。
もし前向きな理由で転職するとしても、次の職場のことには触れないほうが無難です。
残される社員はあなたが退職することで負担が増してしまうことも考えられますので、あくまで「大変お世話になりました」「いくら感謝してもしきれません」「本当にありがとうございました」など、無難な挨拶に留めましょう。
職場によってはお菓子などを持って1人1人に挨拶回りをする場合もありますが、仕事の邪魔にならないよう簡潔に済ませたほうが好印象です。
離職票や源泉徴収票の郵送
退職日以降、準備ができしだい離職票や源泉徴収表が郵送されてくるはずです。
もし届かなければ、総務や人事といった担当部署に問い合わせてください。
これらの書類は転職先の職場へ提出することになりますので、あまり待たせないようにすみやかに送ってもらえるよう、あらかじめお願いしておくといいでしょう。